高松市の中心部から車で約20分。田畑に囲まれた住宅街の中に、全国各地にファンがいる文具店がある。元々郵便局だった建物の戸をくぐると、色とりどりのインク瓶や万年筆が目に飛び込む。

写真・図版
店頭に並ぶ「helico」の万年筆やガラスペン。水晶のような透明感と、鮮やかな発色が両立されている=2025年3月7日午後1時4分、高松市川部町、山田健悟撮影

 店の名前は「万年筆と文具のお店 helico(ヘリコ)」。人気の理由は、代表の諏訪匠さん(40)が手作りするアクリル樹脂を使った万年筆にある。

 水晶のような透明感と鮮やかな色みを両立したデザイン。キャップを閉めた時の長さは約10センチ。「手のひらサイズ」なことも相まって、とりわけ女性からの人気が高い。

「勤め人は無理」から出発

 諏訪さんは、元々は木工職人…

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