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「野生の島のロズ」から、主人公のロボット「ロズ」とガンのひな「キラリ」 (C)2024 DREAMWORKS ANIMATION LLC.

 「ハリウッドアニメの動物は、ヘアサロンから出てきたばかりみたいに毛がツヤツヤでフッサフサ。でも現実は違う。私たちは別の、絵画的・抽象的アプローチを取りました」

 そう話すのは2月7日公開の映画「野生の島のロズ」のクリス・サンダース監督。無人島に漂着した最新型お手伝いロボ「ロズ」がガンのひなを育てる物語ですが、ドラマはヒネリが利いている上に泣けて、映像は隅々まで美麗で大スペクタクルもあって充実。しかし監督に何より聞きたかったのは毛と羽根のことです。その表現はずばり印象派。新しく、美しく、かつリアルなのです。

 「心配したのは『ロボットと動物』という題材です。ありきたりのCGスタイルで描くと子供向けと見なされる恐れがある。大人も見に来てもらえるよう、これまでにない洗練された映像にしたかった。(製作会社の)ドリームワークス・アニメーションはイラスト寄りのCG表現の開拓に取り組んできたスタジオで、それが幸運でした」

 本作は、毛の1本1本を細密…

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