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欧州連合(EU)の欧州委員会本部の前に掲げられた欧州旗=2024年5月31日、ブリュッセル、牛尾梓撮影

 欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は11日、難民申請が認められなかった人をEU域外で一時的に収容する施設の設置などを盛り込んだ不法移民対策を提案した。不法移民の強制送還を可能にする提案は今後、欧州議会と、加盟国の閣僚らでつくるEU理事会に諮られる。

 中東やアフリカからの移民や難民に門戸を開いてきたEUだが、不法移民化した外国出身者によるテロ事件が相次ぎ、域外へ強制送還する方向に大きくかじを切りつつある。

 シリア内戦を受けた2015年の欧州難民危機以降、欧州での難民申請は高い水準のままだ。24年にEUの27加盟国とスイス、ノルウェーで難民申請をした人は約100万人。ただ欧州委によると、申請が認められなかった人のうち出身国に戻るのはわずか2割で、多くが不法移民化しているという。

 ブルナー欧州委員(内務・移…

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