梨泰院の雑踏事故の現場を管轄した当時の龍山警察署長らに対する一審判決を前に、厳罰を求めて行進する遺族ら=2024年9月30日、ソウル、太田成美撮影

 2022年10月にソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で、日本人2人を含む159人(関連死を含む)が死亡した雑踏事故をめぐり、ソウル西部地裁は30日、現場を管轄する龍山警察署長(当時)に対し、禁錮3年の判決を言い渡した。三つの罪に問われていたが、業務上過失致死傷のみ有罪とし、他の二つの罪は無罪と判断した。地裁は判決で「危険性は予見できた」と結論づけた。

 地裁は報道資料で、元署長は当日の治安対策について、麻薬や交通違反の取り締まりに重点を置いただけで「事故対策は全く用意しなかった」と指摘。危険性を指摘する通報にも対応をおろそかにしたとした。元署長側は「発生を予見できなかった」と主張していた。

 一方、業務上過失致死傷などの罪に問われた龍山区長には無罪とする判決が言い渡された。主催者のいない行事に対し、安全管理計画を立てる義務規定がないことなどが理由とされた。(ソウル=太田成美)

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