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桂天吾がゆく

 若手落語家・桂天吾さん(28)が伝統工芸の職人をたずねる企画の7回目。400年もの歴史がある土佐打刃物を手がける、高知県南国市の忠義鍛造(ただよしたんぞう)をたずねました。

桂天吾

1996年生まれ。神戸市出身。関西学院大学教育学部を卒業後、桂南天に弟子入り。若手落語家の登竜門と言われる「令和4年度NHK新人落語大賞」本選の6人に選ばれる。

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 カン、カンと、機械が鉄をたたく音が響き渡る。1千度近くまで熱した鉄に、機械でハンマーを打ち下ろしていく。「なかご」と呼ばれる、包丁の柄に入っている金属部分を延ばす作業。天吾さんが見守るなか、藤田将尋さん(29)が黙々と作業を続けていた。

 藤田さんは手に職をつけたいと思い、大学在学中に青森県で鍛冶(かじ)屋(津軽打刃物)の作業を見学。火に関係する仕事にあこがれていたこともあり、鍛冶職人を目指そうと「鍛冶屋創生塾」に入塾した。

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土佐打刃物を手にする桂天吾さんと、職人の藤田将尋さん(左)=高知県南国市の忠義鍛造

 日本一の森林率を誇る高知県…

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