
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働をめぐり、国が地元への「理解活動」を強めている。14日には経済産業省資源エネルギー庁の村瀬佳史長官が新潟県議会に参考人として出席し、同原発の必要性について説明した。ただ、県議からは安全性を問う質問が相次ぎ、国との温度差は際立つ。
再稼働急ぐ経産省、投げかけられた疑問
「エネルギー政策を取り巻く環境は非常に厳しい」「原子力もぜひ活用させていただきたい」
この日の連合委員会で、村瀬氏は国側の主張を繰り返した。政府は2月に閣議決定した新しいエネルギー基本計画で、これまで掲げてきた「原発依存度を可能な限り低減する」との文言を削り、再生可能エネルギーとともに原発を「最大限活用する」と方針を転換した。新計画の実現には同原発の再稼働が欠かせない。このタイミングでの参考人招致は、村瀬氏が自ら要請して実現したという。
村瀬氏は再稼働にあたり、原発周辺に企業を誘致する支援策も検討していると説明。「投資や雇用が(新潟に)流れてくる動きもつくる」と強調した。一方、県議からは「需要側である1都8県が再稼働を求める声が聞こえない」「経済重視で県民の命や生活を考えていない」などと、再稼働を急ぐ経産省の姿勢に、疑問を投げかける質問が相次いだ。
東電は昨年4月、同原発の7…