福島高専(福島県いわき市)が理科系の女子生徒の発掘に力を入れている。少子化で受験者が減少するなか、女子中学生らのなかに埋もれている理科系志望者をターゲットに、あの手この手を繰り出している。
9月24日、福島高専のキャンパス内に新しい寮生食堂がオープンした。食堂はこれまで、日当たりの良くないくぼ地の建物の1階部分だけだったが、高台に食堂専用2階建てを新築した。座席数は計166席で以前と大差がないぶん、広々としている。大きな窓から入る自然光で室内は明るく清潔感がある。
寮生用だったのには訳がある。
福島高専の学生数は専攻科を除き計約1千人。志願者数は2004年度に331人だったのが、22年度は213人で、倍率は1・7倍から1・1倍に下がった。少子化に加え男女を問わない「理系離れ」も要因にある。担当者は「このままでは、研究教育機関として開発力や技術力の維持向上に影響しかねない」と危機感をもつ。
そこで県外などからの志願者…