「将棋はルールを変えると面白くない。長年かけて一番バランスがいいものに落ち着いていて。そこにルールと人間のアクションの奥深さというものを感じます」と語る木村草太さん=横関一浩撮影

 木村草太さんが憲法学の道に進んだきっかけは、中学2年のとき近所の書店でふと手にした「日本国憲法」(小学館)だった。憲法全文を大きな活字と29枚の写真で紹介し、1982年の発売後たちまちベストセラーとなった本。「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」(第19条)。随所に「自由」がうたわれた日本国憲法に心を奪われたという。

 通っていた公立中学の管理教育に息苦しさを感じていた。校内暴力で秩序が乱れるのも嫌だった。バランスのとれた秩序はどんなルールから生まれるのか。「人生ゲーム」や「モノポリー」といったボードゲームはルール次第でプレーヤーの行動が変わり、異なるゲームになる。大好きなボードゲームがより面白くなるルールを考えるようにコミュニティーのルールを考えていたとき、憲法と出会った。

 尊敬するのは「九条の会」の…

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