行燈山古墳の墳頂部。上が北で、方形の高まりの北辺と西辺が影として浮かび上がっている=柴原聡一郎さん提供
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 宮内庁が「崇神天皇陵」として管理している奈良県天理市の行燈山(あんどんやま)古墳(4世紀前半、墳丘長約242メートル)を、ドローンを使って空からレーザー測量したところ、後円部の頂上に四角い高まりが浮かび上がった。埋葬施設を覆う土壇とみられ、調査が難しい天皇陵古墳の実態を知る上で貴重なデータとなりそうだ。

等高線に乱れなし

 調査したのは、奈良市埋蔵文化財調査センターの柴原聡一郎技術員。これまでもドローンを駆使し、多くの古墳の測量を手がけてきた。

 奈良盆地には古墳時代の大王級の墓とされる墳丘長200メートル以上の前方後円墳が多数ある。その多くで2010年ごろからレーザー測量による精密な測量図が次々と作られてきたが、行燈山古墳には等高線の粗い測量図しかなく、墳丘の形の比較研究で課題になっていた。

 柴原さんはドローンによる古墳測量技術の研究のため、行燈山古墳の測量を計画した。

 しかし、宮内庁は天皇陵古墳…

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