世界は、気候と生態系という二つの危機に直面している。危機を回避するには、これらの同時解決が必要だ。何をすればいいのか。16歳の2人が世界を旅しながら答えを探すドキュメンタリー映画「アニマル ぼくたちと動物のこと」が6月から全国で順次公開される。来日したシリル・ディオン監督に聞いた。

シリル・ディオン監督

 ――なぜこの映画を撮ろうと思ったのですか。

 気候問題については若い人たちがいろいろなアクションを起こしていますが、生物多様性の危機については取り上げられることが少ない。でも、地球の歴史で6度目の大量絶滅と言われるほど深刻な問題であり、いまの様々な環境問題の根本は生きものとの関係につながっています。それには、まず原因を探ることが大事です。生きものと自分の関係性について見直し、未来に希望を持てるように、若い世代を通じてこの問題を描こうと思ったのです。

写真・図版
映画「アニマル ぼくたちと動物のこと」の一場面

 ――それが、若い2人が世界を旅する形の映画にした理由ですか。

 若い世代には、未来を悲観的…

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