研究のポイントと意義=研究チーム提供

 個人差もある月経痛のつらさは、周囲に理解してもらいにくい。そこで、数滴の血液から月経痛の重症度を客観的に示す指標(バイオマーカー)を、京都大と日用品大手のライオンの研究チームが特定した。月経前に測定し、次の月経痛がどのくらい強いかも予測できるという。実用化されれば、女性の心の負担を軽減し、日常の健康管理に役立つことが期待できる。

 研究成果が、科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。数値でわかりやすく伝えられれば、職場や学校、家庭で、配慮や協力をより得やすくなるほか、自身の痛みのレベルを自覚し、ひどい痛みのときは医療機関に受診するなど対処しやすくなる可能性がある。

 研究チームは、25~39歳の健康な女性20人を対象に、主観的な痛みの強さを評価する国際的な指標によって月経痛が重い人(8人)と軽い人(12人)にわけた。そのうえで、月経周期の卵胞期、黄体期、月経期に1回ずつ、3カ月にわたって、指先から血液を採取。質量分析装置にかけ、約700成分の変化を調べ、主観的な痛みの度合いとの関連を分析した。

 その結果、痛みが大きいと…

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