南部マリアナトラフにある熱水噴出孔(水深2787メートル)の「チムニー」。無人潜水艇で採取した=鈴木庸平・東京大准教授提供

 深海にすむ原始的な古細菌が、周囲の鉱物の助けを借りて生きていることがわかった。東京大などの研究チームが5日、国際学術誌に発表した。生命の起源や進化を探る手がかりになるという。

 深海には数百度の熱水が噴き出す熱水噴出孔があり、その周囲には微生物が生息している。

 東京大の鈴木庸平准教授(地球惑星科学)らのチームは、グアムの約140キロ沖合にある南部マリアナトラフの熱水噴出孔(水深2787メートル)で煙突状の構造物「チムニー」を採取。大型放射光施設スプリング8(兵庫県)などで詳しく分析した。

 チムニーは、熱水に含まれる金属と硫化水素などが結びついた鉱物が積み重なったものだ。採取したチムニーの内壁は黄銅鉱で、その内部にあるシリカ(二酸化ケイ素)の網目状の隙間に微生物が密集していたという。

 チムニーの内壁からDNAや…

共有
Exit mobile version