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今年の春闘の労使交渉が本格的に始まった。物価高や人手不足を背景に、大企業の労働組合からは3年連続で高水準の賃上げ要求が相次ぐ。一方で中小企業への波及は見通せず、大手との賃上げ格差を改善できるかが焦点だ。
「賃上げや人材確保が真に定着し、持続的に発展していけるかが問われている」
全トヨタ労働組合連合会の吉清一博事務局長は12日、こう述べた。賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ要求は、グループで平均6%を超え、過去最高になったという。
自動車業界は、業績だけみれば決して楽観はできない。電気自動車(EV)への転換や海外情勢など、先行きの不透明感が増している。
そんな中、業績不振にあえぐ日産自動車を含めた大手全社の労組が、自動車総連が目安として示した「ベア1万2千円」を上回る水準の賃上げを求めた。
ほかの業界でも、「歴史的」と言われた昨年並みの要求が相次ぐ。労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長は「近年の賃上げの実現で『賃金は上がる』という新しい社会規範が芽生えつつある」と期待する。
物価高になお追いつかず
高水準の賃上げ交渉は202…