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 日本は、教育への公的支出が国際的にみて少ない――。そんな報告書を、経済協力開発機構(OECD)が10日、まとめた。OECDの担当者は「将来世代に対しても十分な投資をしていかなければならない」と指摘している。

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 報告書は、OECDが毎年公表する「図表で見る教育」。2022年の政府の支出における教育関連費の割合をみたところ、日本は36カ国中3番目に低かった。また、公的財源の割合は、小学校は99%(OECD平均93%)で平均を上回った一方、幼児教育は76%(同86%)、高等教育37%(同68%)と平均をいずれも下回っていた。

 OECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長は、日本と同じように少子化が進むブルガリアやハンガリー、韓国では、21年までの6年間で教育機関に対する支出が増えていると指摘。「若者が減っていくからこそ、教育の質を改善し、社会に貢献できるようにしていかなければいけない」と教育支出の重要性を指摘した。

 教員の給与についても調べた。勤続15年の中学校教員の法定給(税引き前)について、2015~23年の推移をみると、日本は6%減だった(インフレ調整後の数値)。一方、データが入手可能な22カ国の平均は4%増だった。

 教員の労働時間のうち、授業にあてる時間も調べた。高校レベルでは日本は約30%で、データのある26カ国の平均43%を下回っていた。(山本知佳)

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