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阪神・淡路大震災についての展示を見るアンヘリナ・モロズさん=2025年1月26日、神戸市中央区の人と防災未来センター、浅倉拓也撮影
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 ロシアの侵攻から日本に逃れたウクライナの若者を、祖国の復興を担う人材に育てようと、日本語学校などが取り組んでいる。ただ、侵攻から3年が経っても現地の情勢はまだ不透明だ。祖国を再建する日を夢見つつも、日本で新たな人生を築きつつある人は少なくない。

 神戸市の「人と防災未来センター」で1月下旬、ウクライナ人女性の一団が、阪神・淡路大震災の被害から復興への歩みをたどった映画や展示に見入っていた。「涙が出た」と、アンヘリナ・モロズさん(24)。全国の日本語学校有志でつくるウクライナ学生支援会(JSUS)が受け入れた学生の一人だ。「戦争とは違うが、多くの自然災害から復興してきた日本の経験を学ぶことは役立つと思う」

 JSUSは2022年2月の侵攻直後から100人超のウクライナ避難者を受け入れ、無償で日本語教育と生活支援を提供してきた。昨秋からは2期生として、ウクライナの復興に貢献できる人材育成を目的に選抜した10人に、復興をテーマにした研修をしている。

 モロズさんは大阪市の清風情報工科学院で日本語を学びつつ、送電線の保全などを手がける兵庫県西宮市の会社「インテ」で有償のインターンとして働く。

 受け入れをJSUSに申し出…

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