カンボジア・シェムリアップで建設中の平和博物館を視察する各国高官ら=2024年11月24日、大部俊哉撮影

 地雷の全廃を目指す対人地雷禁止条約(オタワ条約)に関する国際会議が、25日からカンボジア北西部のシェムリアップで開かれる。それに先立つ24日、日本が現地に建設中の平和博物館を、各国の高官らが視察した。地雷や不発弾の恐ろしさを世界に発信する施設になる。

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 世界遺産のアンコールワットで知られるシェムリアップ。集まった政府高官や国際機関職員ら200人以上を前に、英利アルフィヤ外務政務官が「地雷対策には、多国間でのアプローチが不可欠。両国の取り組みを通じ、各国の建設的な議論につなげたい」と述べた。その後、地雷や不発弾を展示した建物内を出席者と見て回った。

 カンボジアはベトナム戦争や内戦で推定400万~600万個の地雷が埋められた、世界最大の被害国の一つ。日本は25年以上、技術や資金面で除去を支援してきた。

 平和博物館は、日本政府が無償資金協力し、カンボジア政府と連携して整備中。2026年のオープンを目指している。戦争の歴史や日本の技術も学べる施設にする。

 25~29日に開かれるのは、5年に1度、オタワ条約の運用を話し合う検討会議。日本を含む80以上の国・地域から600人以上が出席する。25年までの地雷全廃を目標としてきたが、達成は困難な情勢で、29年までの行動計画が策定される見通しだ。

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