後半、PKからチーム2点目を決めて喜ぶ浦和レッズのFWチアゴサンタナ(左)=2024年4月28日、埼玉スタジアム

 (28日、J1 浦和2―1名古屋)

 浦和のFW中島がはいていた白いパンツの一部は、試合後には緑に染まっていた。何度も芝の上を滑り、懸命に守った証しだ。「ボールを奪えば攻撃につながる」

 この日、浦和の選手たちの守備の意識は研ぎ澄まされていた。

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 実を結んだのは前半24分。パスを回す相手に前線の選手が続々と襲いかかった。ミスを誘い、球がこぼれたところをMF安居が流し込んだ。「守備がはまった」

 前線からの積極的な守備は、今季から就任したヘグモ監督が目指す戦い方だ。選手たちには相手ボールを敵陣深くまで追いかけ、奪ってすぐに攻めることを求めた。

 昨季の浦和は自陣に引いて相手の攻撃をはね返す守備で、リーグ最少失点を誇った。大きな戦術の転換。シーズンの最初は連係不足などから新しい守備が機能しなかった。

 これが今季のリーグ戦10試合目。試合を重ねたことで戦術がチームに浸透してきた。さらにこの日は今季初先発の安居が光った。スタミナに自信がある24歳が中盤を走り回り、守備から攻撃への流れをつくった。

 直近で6試合負けなしだった名古屋に土を付けた。DFショルツは喜びも控えめに、「この意識を続けることが大事」と話す。

 積極的な守備は体力の消耗も激しい。気温が高くなる時期にも同じ姿勢を貫けるかどうか。中位からの浮上の鍵になる。(藤野隆晃)

 チアゴサンタナ(浦) 1得点に加えボールキープで勝利に貢献。「後ろからのロングパスは練習していた。どんな形でも勝ち点3が必要な試合だった」

 長谷川監督(名) 「失点はもったいなかったが、攻撃的なカードを切って1点を返せたのはチームにとって大きい」

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