気軽に行ける山の中に、こつぜんと現れる巨大な仏像がある――。そんな話を聞いて、横須賀市と逗子市の境にある鷹取山(139㍍)に出かけた。
標高が低いとはいえ、山は山。トレッキングシューズを引っ張り出し、飲み物をリュックに入れた。念のためデスクに行く先と大体の所要時間をメールで送り、「無事に地上に下りたら連絡します」と伝える。
スタートは京浜急行・追浜(おっぱま)駅。通りに出ると昭和な感じの商店街が続く。踏切を渡ると「首斬観音」というちょっと物騒な名前の場所があった。
小さなお堂の中央の碑に「首斬観音 昭和三年七月十二日梅月書」と彫ってある。全国に数千人の弟子を持った俳人、松竹庵梅月の書だという。
そばにあった新聞と思しき記事の説明によると、天保年間に干ばつや冷害などで凶作や飢饉(ききん)が起き、百姓一揆や打ちこわしなどで犯罪者が増えた。このかいわいでも処刑された者がいたという。
国道工事でみつかったのは…
大正末期の国道工事の際、頭…