9月に名古屋市で開かれた自民党総裁選候補者の街頭演説会

記者コラム 「多事奏論」 編集委員・伊藤裕香子

 街頭演説は西へ東へ、討論番組もあちこちで。選挙となれば政治家の言葉が、永田町から離れた場所であふれ出す。

 自民党総裁選では、遠く向こうに小さな候補者をのぞむ名古屋市の広場で、街頭演説会の幕が開いた。国会での論戦や討論会と違うのは、大勢の聴衆に向けた「ご当地ネタ」がほぼ必ずはさまれて、公約とセンスの競演を見られること。後に激戦を勝ち抜く石破茂さんは持ち時間10分の終盤に、東海地方で親しまれる名古屋の味を差し込んできた。

 「いま物価、高いじゃないで…

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