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ジョルジェスク氏がティックトックに投稿した、民族衣装を着て白馬に乗る動画=ティックトックから
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 東欧ルーマニアでSNSにより急速に支持を集めた候補が首位となった大統領選の第1回投票をめぐり、憲法裁判所が選挙の無効を決めた。当局は選挙へのロシアの関与を指摘するが、陰謀論めいた主張を展開して当選の可能性が低いとみられた候補が、SNSに特化したとも言われる選挙戦で躍進した衝撃は大きい。SNSが選挙に及ぼした影響はどれほどなのか。

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 ルーマニア大統領選は11月24日に第1回投票が行われた。23%の得票率で決選投票への進出を決めたのは、無所属で出馬した土壌学者のカリン・ジョルジェスク氏(62)。2位は19%のリベラル派女性候補ラスコーニ氏で、本命候補とされた与党・社会民主党のチョラク首相は3位で敗退が決まった。

 地元メディアによると、ジョルジェスク氏は第2次世界大戦時のルーマニアのファシスト指導部を「愛国者」と称賛。「反欧州連合(EU)」「反北大西洋条約機構(NATO)」を掲げ、ロシアのウクライナ侵攻は「米国の軍事企業が操っている」と主張していた。事前の世論調査での支持率は1桁台だった。

 一方、SNS上の「躍進」ぶりは群を抜いた。

 人口約1900万人のルーマ…

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