連立政権の行方

 少数与党転落で岐路にある自公連立政権。水面下でやりとりされる連立政権の行方を追い、その先に待ち受ける政治の姿を展望します。

 年明けの8日午後、首相官邸。首相の石破茂は、元公明党代表の山口那津男と向き合い、笑顔を見せた。この日の面会は1週間ほど前に山口が「一度お会いしたい」と石破に電話し、「山口さんが会いたければいつでも会う」という石破が「時間を取らせてもらいます」と即答し、実現したものだ。

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 石破と山口もまた、石破と現公明代表の斉藤鉄夫との関係のように、お互いに信頼する仲だ。山口は2009年の自公の野党転落以来、昨年9月まで約15年間にわたって公明を率いた。安倍政権当時、安保政策などでタカ派色の強い首相の安倍晋三とは相性の悪さが指摘されていた。トップ同士の意思疎通が時折ぎくしゃくする中、石破は自民幹事長当時、公明幹事長・井上義久とひそかに議員会館などで面会して自公間の意見調整を図った。山口はそんな石破に感謝する一方、石破は周囲に「山口さんと会って話すといつも自分の至らなさを痛感する」と語り、両者はお互いに親近感を抱く。

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