世界ボクシング協会(WBA)フライ級チャンピオンで、今月6日に初防衛を果たしたユーリ阿久井政悟選手(28)=倉敷守安ジム、岡山県倉敷市出身=が13日、かつて警備の仕事をしていた同市の倉敷天満屋を訪れ、社員らに勝利の報告と応援への感謝を伝えた。

 ユーリ選手は2018年、環太平洋大学(岡山市)を卒業後、天満屋グループの警備会社に入社。倉敷天満屋に配属され、2年間、出入管理や巡回などの業務を担当した。休職扱いだが、現在も警備会社に籍を置く。

 ユーリ選手は今年1月、WBAフライ級タイトル戦を制し、県内のジム所属で初の世界チャンピオンに。今月6日に、東京ドームであった防衛戦で桑原拓選手を判定で下し、初の防衛を果たした。

 ユーリ選手は13日、開店前の朝礼で集まった社員らに感謝を述べた。報道陣の取材に「職場の人から『おめでとう』と声をかけてもらった。みなさん元気そうで安心した」と話した。

 当時の仕事について「知っている人に会ったりしてすごく楽しく、やりがいのある職場だった」と振り返った。次の防衛戦に向け、「とりあえずゆっくり休み体調管理をしっかりして勝ちたい」と語った。

 この後、ユーリ選手は会社の制服に着替えて、保安室前で警備業務に就いた。制服を着るのは昨年8月以来といい、「すごく懐かしい」と笑顔を見せた。

 職場の上司の難波澄人さん(46)は「制服を着た立ち姿は入社したての頃と変わらず、りんとしていた。仕事もしっかりしていて本当に信頼している仲間。次の防衛戦も期待しています」と話した。(水田道雄)

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