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食堂に設けられた臨時教室で授業を受ける児童=2024年7月31日、タイ・マハチャイ、大部俊哉撮影
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 「この校舎でタイ語を学んで、私は夢をもつことができた。これから来る子たちにも、同じように希望を持ってほしい」

 タイ中部マハチャイのワット・シリモンコン小学校。ミャンマー南部モン州出身の小学6年、エイヌーさん(16)は、校舎のがれきを前に胸の内を語った。

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 老朽化で床や柵が壊れ、雨漏りなども目立つようになり、子どもの安全のために今年、メインの校舎が解体された。ほかに小さな建物はあるがスペースは足りず、同様に古くなっており、学校は再建を模索している。

 シリモンコン校は、学ぶ場の確保が難しい移民の子どもたちを積極的に受け入れてきた。隣国ミャンマーで国軍と武装勢力の戦闘が激化し、タイに逃れる家族が急増。いま、児童の9割以上がミャンマーにルーツをもつ。

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 4年前に98人だった児童は727人に増えた。教室が足りず、ミャンマーの言語を話す教員の確保も課題となっているところだったが、追い打ちをかけるように、最も大きな校舎が取り壊しで使えなくなってしまった。

 子どもたちは現在、壁のない…

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