廃棄されるカキの殻を使った畳表の試作品と、開発に取り組む伊藤貴大さん=2024年10月10日午後2時57分、名古屋市南区三吉町2丁目、松永佳伸撮影

 畳やふすまの製造、販売をする名古屋市南区の「伊藤畳商店」が、廃棄されるカキの殻を使った畳表の開発に取り組んでいる。天然のイグサを使ったものに比べて耐久性などに優れ、デザインの自由度も見込める。畳業界の先細りが懸念されるなか、環境に配慮した新素材で活路を模索する。

 開発に取り組むのは3代目の伊藤貴大さん(32)。大学卒業後、東京の外資系会社で2年間勤めた後、家業を継ぐ決断をした。

 住宅事情の変化による畳の需要低下に加え、イグサ農家の高齢化もあって生産量が減少。伊藤さんは「産業が衰退する前に新しい畳を提案し、業界に新風を吹き込みたい」と考えた。

カラーリングも複数

 魚介に興味があり、たまたま2年前から島根県の隠岐の島町で海産物の販売事業にも携わっている伊藤さん。大量に廃棄してきたカキの殻にUVカットや樹脂の耐久性を高める効果が期待できる成分が含まれていることを知り、チャンスと捉えた。

 今年6月、カキ殻を使った畳…

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