勝利した先発の九里亜蓮とハイタッチする広島の新井貴浩監督(左)=日刊スポーツ
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 (6日、プロ野球 広島東洋カープ3―1北海道日本ハムファイターズ)

 自慢の継投策で2点リードを守り切った。広島の新井貴浩監督にとって、監督通算100個目の白星になった。

 「それだけみんなが頑張ってくれた。100勝は選手に感謝したい。また一つひとつ積み上げていきたい」。そう言って目を細めた。

 新井監督は選手の心理まで考え、起用する。その配慮に応えたのが、7回を1失点に抑えた九里亜蓮だ。

 今季はプロ11年目で初の開幕投手を務めた。だが、打線の援護に恵まれず、勝ち星に恵まれない登板が続いた。

 8度目の先発で初白星を得ると、新井監督は出場選手登録を一度抹消した。初勝利で精神的な負担から解放されたことも考慮して、「一度ゆっくりしてリフレッシュして欲しい」と判断した。

 5月30日の復帰登板での6回無失点に続き、この日も好投した。四回2死で4番田宮裕涼を迎えたときには、86キロのスローカーブから入るなど緩急もさえた。「(登録抹消を)いい期間にしようと、トレーニングなどにも費やすことが出来た」。心身ともに充電できた様子だ。

 ウィニングボールは、九里が新井監督に手渡した。「朝のニュースで、(前日の白星で)99勝目だと知ったので。100勝おめでとうございますって。(投げているときは)特に意識しなかったけれど、携わることが出来てよかったです」。リーグでも首位巨人に0.5ゲーム差の2位と、好位置につけている。(上山浩也)

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