
「映像を見せてくれませんか」
駐車場機器メーカーのアイテック本社(東京都文京区)には、こんな電話が、全国の都道府県警察から年間数百件かかってくる。
街中のコインパーキングから、車止めの「ロック板」がじわりと消えている。未精算での出庫を物理的に妨げるものはないが、裏ではAIも駆使した周到な仕組みが整備され、犯罪捜査にも使われている。
同社の「ロックレス駐車場」には、地面から立ち上がるロック板も、出入り口を封鎖するバーもない。代わりに駐車区画ごとに「ナンバー認識ポール」が設置され、内蔵カメラが車やナンバーの情報を読み取る。
2010年から製品化し、都心部を中心に全国5千カ所に広がっている。19年にはAI開発会社「PKSHA(パークシャ) Technology」の子会社になり、大量のデータをAIが学習するディープラーニング(深層学習)で精度が向上。今ではナンバープレートが映る場合の車両認識精度は100%だという。
警察はこうした技術やネットワークに注目して問い合わせているようだ。
強盗事件解決にも貢献、背景は?
アイテックによると、警察か…