首相官邸に入る石破茂首相=2025年3月13日午前9時29分、岩下毅撮影

 年金制度改革の関連法案について政府は13日、国会への提出期限となっている14日までの閣議決定は困難だとして、先送りする考えを示した。橘慶一郎官房副長官が衆院議院運営委員会の理事会で伝えた。

 林芳正官房長官は13日の記者会見で「(法案の)内容の検討や調整に時間を要している」とした上で、「できる限り早期に法案を提出できるよう、引き続き検討を進めていく」と述べた。夏の参院選への影響を懸念し、与党内には今国会での提出を見送るべきだとの意見がある。

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年金改革関連法案のポイント

《年収「106万円の壁」の撤廃》

・新たな加入者の保険料は増える一方、将来の受給額は増加

・労使折半で支払う保険料について、企業側が半分を超えて負担できる特例を導入

《高所得者の保険料増》

・月収額ごとに定める厚生年金保険料の「等級」の上限を65万円から75万円に引き上げ。保険料は増えるが受給額も増

《働く高齢者の年金減見直し》

・働く高齢者の厚生年金をカットする「在職老齢年金」制度は、削減対象の基準額を50万円から62万円に。高齢者の就労を促す狙い

《遺族厚生年金の見直し》

・18歳未満の子どもがいない現役世代については、男女に関わらず原則5年に有期化

《加算制度の見直し》

・年金受給者への加算制度については、子どもへの上乗せを手厚くする一方、配偶者への加算額は将来的に減らす

《基礎年金の底上げ》

・実施の判断は2029年以降

・厚生年金の積立金を活用。基礎年金増額は多くの人に恩恵

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