パフォーマンスをする布袋寅泰さん(中央)=2022年6月、さいたまスーパーアリーナ、西岡臣撮影

 ギタリストの布袋寅泰さんと歌手の吉川晃司さんによるロックユニット「COMPLEX(コンプレックス)」から、能登半島地震の復興支援として、10億円超が石川県に寄せられる見通しになった。県は「能登復興応援基金」を創設し、寄付をそのまま積み立てて、今後の復興に活用する方針。

 馳浩知事が27日、震災対策などを含む県の12月補正予算案の説明会見で明らかにした。県によると、寄付は、ユニットが5月に開いた能登復興のための東京ドーム公演の収益や関連の売り上げなど。公演には2日間でのべ約10万人が来場した。

 布袋さんは27日に自身のインスタグラムを更新し、コンプレックスとして、能登へのお見舞いの言葉とともに「(公演の)趣旨に共感、ご理解をいただいたたくさんの皆さまがご来場くださり、公演を大盛況裡に終えることができました。本当にありがとうございました」などとつづった。

 プロレスラーとしても知られる馳知事は会見で、「私も東京ドームで試合をしたことがあるので、満員でどれくらいの収益になるかはわかっていたが、まさか10億円になるとは」と驚きを口にした。

 基金は、▽漁業など能登の特色ある1次産業の再興▽能登が誇る伝統文化や地場産業の活性化▽子どもたちの心身の健やかな育成や、全世代的な学び、活動・交流の拠点づくり――の3分野に使われる予定だという。

 県には、県出身の元メジャーリーガー松井秀喜さんや、東日本大震災に岩手で被災したメジャーリーガー大谷翔平さんら著名人からの寄付や寄付の表明が相次ぎ、それらは義援金として分配され、被災者支援に使われている。馳知事は今回、ユニットの寄付を別建てで基金としたことについて、ユニットの意向をくんだうえで「目に見える活動で使わせていただくのが妥当ではないかと考えた」などと語った。

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