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2018年から入場が禁止されている名古屋城の天守(右)=2023年9月30日、名古屋市中区本丸1丁目、朝日新聞社ヘリから
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 事実上、宙に浮いている名古屋城天守の木造復元化を推進するのか、それとも見直すのか。24日に投開票される名古屋市長選では、河村たかし前市長の肝いりで始まった天守復元事業をめぐる是非が争点の一つになっている。街のシンボルはどこに向かうのか。

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 「天守閣の入り口はどこですか?」。今月13日昼、名古屋城の天守近くに立つ警備員の男性の元には、観光客がひっきりなしに質問に訪れていた。男性が「今は入れないんですよ」と説明すると、多くの観光客が「えーっ」と驚いた様子。東京から観光で訪れた50代の女性は「外から金のしゃちほこが見れたのは良かったけど、天守閣に登れないのは少し残念」と話した。

 復元に向けた調査や耐震性の問題を理由に天守への入場が禁止になったのは2018年。約500億円を見込む復元事業は、河村氏の肝いりで始まった。

 「名古屋を訪れても『行くところがない』と言われるのはいかんこと」「コンクリート製の天守閣では名古屋人として寂しい」

 09年に初当選した河村氏は…

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