日本最大の半島、紀伊半島。その壮大な歴史を間近で体感できる場所がある。南紀白浜空港(和歌山県白浜町)から車で南へ約30分。着いたのは南紀熊野ジオパークに登録された海岸だ。

 車で行けるのは、高さ約50メートルの海岸段丘の上まで。ガイドの案内で、海辺に生えるウバメガシに囲まれた急斜面を手すりを伝って下り、斜めに重なり合った岩場に足を踏み入れる。

写真・図版
地層が折りたたまれてできた「フェニックス褶曲(しゅうきょく)」。干潮で足元の岩が露出した時だけ、手前の観察ポイントに渡ることができる=2025年1月4日午後、和歌山県すさみ町、林敏行撮影

【撮影ワンポイント】フェニックス褶曲

 撮影は、潮汐(ちょうせき)と波高に左右される。海面からのぞく岩の頂点は、靴一足分ほど。ここが沈むと、観察ポイントにたどり着けない。取材した1月4日午後は、波も穏やかで見事な冬晴れ。西日を正面から受ける褶曲は、コントラストを次第に増す。潮が満ちる前に戻るため、時計を意識しつつ、2時間弱粘って撮影した。(林敏行)

  • 【特集】いいね!探訪記

 道中には、波にあわせて海面へ潜っては現れる岩も。タイミングを間違えて足が水につかりながらも、20分ほどで全体が見渡せる場所に着いた。

うねる岩石、紀伊半島の成り立ちを物語る

 ぐにゃり。そう形容するのが…

共有