米国やインドの海軍との共同訓練に参加する海上自衛隊の特別警備隊=海自提供
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 海上自衛隊の護衛艦などが南シナ海や南太平洋をめぐって各国と共同訓練などをする部隊派遣で、今年は不審船対応を担う特殊部隊「特別警備隊」が初めて参加する。中国が影響力を強めていることを念頭に、不審船への立ち入り検査のノウハウを伝え、安全保障面で島嶼(とうしょ)国などへの関与を深める狙いがある。

 海上自衛隊は2017年から毎年、インド太平洋地域の各国海軍などと連携強化を図る「インド太平洋方面派遣(IPD)」を実施。今年は過去最大規模とし、今月から12月にかけ、計8部隊・1700人超を順次、インド太平洋地域に派遣する方針だ。海自部隊は、米豪印比やパプアニューギニア(PNG)といった太平洋島嶼国など計14カ国・地域への訪問を予定している。

 今回初参加の特別警備隊は海上警備行動が発令された場合、武装して不審船に乗り込み、立ち入り検査や武装解除を行う役割を担う。1999年に能登半島沖で不審船を逃した事案を契機に、2001年に海自初の特殊部隊として創設された。防衛省によると、拠点は広島県江田島市で、所属隊員は約90人。小銃や拳銃などの小火器を装備し、命令があればヘリなどで現場海域へ急行。海自の「精鋭」と位置づけられ、秘密が多く、訓練公開はまれだ。

 今回IPDに参加する特別警…

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