錦帯橋上の下流側に生徒が移動し橋に負荷をかけた=2024年9月21日午前10時0分、山口県岩国市の錦帯橋、鈴木史撮影

 国の名勝に指定されている山口県岩国市の錦帯橋で、橋の健全性を測る5年に一度の調査が行われている。21日は県立岩国高校の生徒130人が「重し役」として参加。橋がどの程度たわむかを調べた。

 調査は、1950年のキジヤ台風で橋が流されたのを受けて、岩国市が早稲田大に依頼し、橋が再建された53年から始まった。今回が14回目で、岩国高校は63年から参加している。

 今回は18日に早大が「振動試験」を実施。21日に岩国高生が橋にのる「載荷試験」を行った。1、2年の希望者130人が参加し、連なる五つの橋のうち第2橋で、橋の右側に集まったり、全体に広がったり、左側に集まったりして移動しながら負荷をかけた。橋にはたわみ具合を調べる変位計が設置され、早大理工学術院総合研究所がデータを集めた。

 12月には老朽度も調べて年度内に調査結果をまとめ、対策の検討に役立てるという。

 参加した1年の兼本楓太君(15)は「5年に一度の試験に参加できてうれしい。(世界文化遺産登録に向けた)市の取り組みに自分たちも目を向けていくことが大切だと感じた」。早大の小野潔教授は「使っているみなさんが(異常に)気づいたら声を上げるべきだと高校生に伝えた。町医者に相談する感覚だ。5年に1回の我々の調査は人間ドックみたいなもの。お互い補完して錦帯橋の適切な維持管理をしていけばいい」と話した。(鈴木史)

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