2024年12月14日、国民向けの談話を発表する韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領=韓国大統領府提供

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾(だんがい)訴追案が14日、韓国国会で可決された。対応をめぐって激しく意見が対立した与党は立て直しを急ぐ。尹氏の過激な行動は追い詰められた末とみられるが、今後の国政や外交に与える影響は小さくない。

  • 尹大統領の弾劾訴追案が可決、職務停止に 弾劾審判で罷免を判断へ
  • 「お仲間」で周囲を固めた尹氏、与党代表とも確執 孤立はより鮮明に

 「国政を安定的に運営するために、すべての力と努力を尽くす」。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾訴追案が可決された後、職務停止になる尹氏の権限を代行する韓悳洙(ハンドクス)首相はこう述べた。だが、憲法裁判所が尹氏を罷免するかどうかを決めるまでの暫定的な体制であり、政府関係者は「これまで以上に国政が停滞する可能性がある」と指摘する。

 韓国の大統領の権力は絶大だ。行政の長として首相や憲法裁判所所長らの任命権のほか、非常戒厳の宣布、法案の拒否権行使など多岐にわたる権限を持つ。軍の統帥権もある。

 そうした権限を首相が代行するが、今後の政局運営は容易ではない。今回の非常戒厳に関して韓氏も野党から内乱容疑で告発されており、捜査の手が伸びる可能性がゼロではない。

混乱のしわ寄せ、国民に

 また、非常戒厳の後に辞任し…

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