世論に見る平成の内閣77

 朝日新聞は1946年から世論調査を実施しています。過去の調査を繰り、歴代内閣を振り返るシリーズを随時配信します。

     ◇

 「健康に役立つ」ことをうたい文句にしている食品には、つい手が出がちだという人は多いはず。それだけに、小林製薬のサプリメントを摂取した人に健康被害が広がった問題は注目を集めました。「食の安全」にまつわる世論を振り返ってみます。

 「食の安全」についてまとまった質問をした例として、小泉純一郎政権当時の2002年6月30日と7月1日に実施した面接世論調査があります。この年は食肉の産地偽装や無認可添加物の問題などが相次いでいました。

 食べ物の安全性に「不安を感じる」という人は「大いに」23%、「少しは」54%を合わせ、77%に上っていました。

 生鮮食品の原産地表示を「信用していない」という人も「あまり」38%、「全く」8%で計46%とかなりいて、食品の安全性を考えるとき最も重視する点を5択で聞くと、「防腐剤や着色料などの添加物」が45%とずば抜けて多い結果でした。

 この調査では一方、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」とも見える興味深い結果も。牛海綿状脳症(BSE)の牛が見つかった前年9月からこの調査までに、牛肉を食べる回数や量がどう変わったか選択肢で聞いています。

 「減った」が31%、「全く…

共有