難波マスミさん

 27日に投開票される衆院選は、12年前に返り咲いた自民・公明両党による政権運営の是非が問われる。コロナ禍という未曽有の困難を挟んで株価は過去最高値を刻み、訪日客も大幅に増えたが、恩恵を十分に受けられなかったり、あおりを受けたりした人たちもいる。どんな思いで、選挙を見ているのか。

非正規「体よく使われている」

 大阪府の難波マスミさん(56)は30年近く非正規雇用で働いてきた。「一度非正規になると、正規で働きたいと思った時にはもう抜けられないんです」と話す。

 府内の自治体で相談員として週5日、午前も午後も働く。月収は15万円程度。税金などが引かれ、手元に残るのは月10万円ほどだ。

 難波さんは結婚後、専業主婦をしていた。2人の娘の子育てに追われていたが、次女が幼稚園に入園したタイミングで、自治体の相談員の募集を見つけた。「空いた時間にちょうどいいかも」と働き始めた。

 だが、突然府からの交付金が…

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