将棋の第83期名人戦・B級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の11回戦6局が16日、東京、大阪、名古屋で一斉に指され、近藤誠也七段(28)と糸谷(いとだに)哲郎八段(36)のA級昇級が決まった。近藤七段は初のA級入りで、同日付で八段に昇段した。A級5期の実績がある糸谷八段は、第81期以来のA級復帰を決めた。
B級1組に13人の棋士が在籍し、このうち、成績上位の2人が名人挑戦権を争うトップリーグのA級に昇級する。
11回戦の開始時点で、A級昇級の可能性は近藤七段=8勝1敗、残り3局=、糸谷八段=8勝2敗、残り2局=、斎藤慎太郎八段(31)=5勝4敗、残り3局=の3棋士に絞られていた。
斎藤八段が、近藤七段と糸谷八段より今期B級1組での順位が上のため、同じ成績になった場合に斎藤八段にも昇級の可能性が残っていた。
だが、この日、斎藤八段が敗れ、2位以内に入れないことが確定し、昇級争いから脱落し、近藤七段と糸谷八段の対局結果を待たず、2人のA級入りが決まった。
糸谷八段は広島市出身。現在A級の豊島将之九段(34)や稲葉陽八段(36)らとともに「関西若手四天王」と称され、2014年度には第27期竜王戦で初タイトルを獲得。森信雄七段(72)門下で、現在A級の千田翔太八段(30)とは同門の間柄だ。
近藤七段は千葉県八千代市出身。所司和晴七段門下で、渡辺明九段らと同門。2015年10月に19歳で四段に昇段しプロ入りし、16年度の順位戦に初参加。わずか4期でB級1組に昇級していた。