19歳で寺山修司に“誘拐”され、演劇のポスター貼りと収集に人生をかけることになった、笹目浩之さん。演劇人の心意気と時代の空気が封じ込められたポスターとともに歩んできた、数奇な道のりとは。
リレーおぴにおん 「集まれば」
演劇ポスターとの付き合いは40年以上になります。
19歳だった1982年12月。アルバイトをしていた喫茶店の常連さんに誘われて、東京・新宿の紀伊国屋ホールへ行きました。そこで見た、寺山修司さんが主宰する「演劇実験室・天井桟敷」の「レミング―’82年改訂版 壁抜け男」に衝撃を受けました。
東京の大学に進学したものの、手応えを感じられない毎日を送っていた私を、寺山さんの言葉と舞台が激しくゆさぶりました。この劇団に入りたい、演劇の世界で生きていこう。そう決心しました。
でも、半年もたたずに寺山さ…