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寒空の下、天日干しされる飛驒染の反物=2025年2月7日午前11時44分、岐阜県高山市、米田怜央撮影
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 岐阜県飛驒地方の祭りを彩る「飛驒染」の寒ざらしが、この冬一番の寒気の到来で本格的に始まっている。

 老舗の染物店「ゆはら染工」(高山市)の干し場では7日、従業員5人が鳳凰(ほうおう)や竜などが描かれた長さ12メートルの反物を広げ、伸子(しんし)と呼ばれる竹ひごを使ってしわを伸ばしながら天日干しをしていた。

 この日の最低気温は零下5.4度。色染めした生地を寒風にさらして天日に干すことで、鮮やかな発色と色の定着が促されるという。

 反物は、飛驒地方の祭りで奉納される闘鶏楽(とうけいらく)と呼ばれる伝統芸能の衣装に使われる。5代目の柚原雅樹社長(58)は「作業は、正月明け以来2度目。比較的暖かい日が続き、雪も溶けて寒ざらしには適していなかった。今回の寒波で雪も積もってくれたので作業を進めていきたい」と話していた。雪が残る3月ごろまで続く。

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