新聞や空き缶などの「ゴミ」を陶で表現した作品で知られる美術家・三島喜美代さんが先月19日、91歳で死去した。最晩年まで精力的に制作や発表を続けた三島さんとの思い出を、同じ大阪を拠点とし交友の深かった建築家の安藤忠雄さんに寄稿してもらった。
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お亡くなりになる少し前、「会いたい」との伝言を聞いて、すぐ病床の三島さんを訪ねた。
さすがに衰弱した様子であったが、イタズラっ子のような目の輝きは変わらず、時折浮かべる人懐こい笑顔に心癒やされた。お見舞いのつもりが、逆に元気を頂いてしまった。
三島さんの仕事は、初期の抽…