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小屋にあるケースの中で光を放つヘイケボタル=愛知県阿久比町の阿久比白沢ホタルの里、町提供
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 ホタルの町、愛知県阿久比町でヘイケボタルが激減している。町内に2カ所ある養殖場ではここ数年、羽化して成虫になるホタルが減り、ピーク時の1割以下に。確たる原因が分からぬまま、消えゆくホタルの光。関係者も対応に苦慮している。

 141匹。町立の公園「ふれあいの森」にある町の養殖場で5月27~7月10日に羽化、成虫になったヘイケボタルの数だ。ピーク時は1万匹以上だったが、年々減り、前年は363匹だった。

 1993年に完成した養殖場では、歴代のホタル専門員が毎年、数万匹を育て、羽化させてきた。現在のホタル専門員で、元小中学校教諭山田和男さん(68)によると、数年前から、羽化率の低下や死ぬ幼虫が目立ってきた。専門員となった2021年に1万2千匹の幼虫を引き継いだが、23年は3700匹まで減った。

 もう一つの養殖場でも苦しい状況が続く。田畑に囲まれた白沢地区の「阿久比白沢ホタルの里」では、昨年8千匹いた幼虫のうち、冬を越せたのは2千匹。6月末現在で羽化できたのは、300匹弱にとどまる。かつては5万~6万、多い年で成虫は10万匹はいたという。

 約20年前から開いてきた観賞会も、今年はホタルが少ないため、初めて取りやめた。

原因、各方面に問い合わせたけれど…

 「こんなに減ったのは初めて…

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