わきあいあいと話す廣瀬絆夏さん(左)と4年間担任だった松尾賢太郎教諭=2024年12月18日、神奈川県藤沢市の県立湘南高校、足立朋子撮影

 ほとんど学校に通えていなかった私に夢を与えてくれたのは、「夕方からの高校」だった。

 神奈川県立湘南高校定時制4年の廣瀬絆夏(はんな)さん(19)=藤沢市=は中学入学後、1カ月ほどで体調を崩し、登校できなくなった。

 朝起きようとすると脈が速くなる頻脈の症状が出て、動けなくなった。学校に行こうと無理をすると倒れてしまう。病院では「起立性調節障害」と診断された。

 起立性調節障害は思春期に多くみられるもので、起立時にめまい、動悸(どうき)、失神などが起きる。

 目を覚ましてから体調が整うまで2~3時間かかる。中学校の時間割に合わせるためには、毎朝4~5時に起きなければならず、その負荷で体調を崩すという悪循環に陥っていた。

 学校に行きたくてたまらないのに、体が言うことをきかない。そんな不条理に苦しんだ。

 そんなある日、同じ病気だった先輩から、夕方から始まる定時制高校という選択肢があることを知らされた。

 もしかしたら、3年間憧れ続けてきた「普通に学校に通う」生活が送れるかもしれない。胸が高鳴った。

「定時制」という選択、結果は…

 その選択は大正解だった…

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