行方がわからなくなった子どもらを捜すために設けられたサイト「中国児童失踪防止プラットフォーム」の画面。つい数年前にいなくなった子どもらの顔写真や特徴といった情報が掲載されている(画面の一部を加工しています)=デザイン・郭溢

 「私はずっとあきらめなかった。ついに望んだ結果を手に入れた」

 昨年12月19日、計17人の子どもを誘拐して売り渡したとして、中国南部の貴州省高級人民法院(高裁)が余華英被告(判決当時60歳)を死刑とした判決が出た後、被害者の一人、楊妞花さんはSNSで配信した動画でこう語った。

 中国メディアによると、楊さんがさらわれたのは1995年の冬、5歳の時だった。

【連載】新語・流行語から探る中国

受験や結婚といった人生の転機や、経済やライフスタイルの変化を、中国の人びとはワンフレーズの漢字で巧みに表現しています。そんな新語・流行語が映し出す、中国社会のいまを読み解きます。

 家族と暮らしていた貴州省貴陽市で、余死刑囚らに誘拐された。両親が出かけた隙をみはからって、セーターの編み棒を買ってあげると言いくるめられた。河北省邯鄲市の農村に連れて行かれ、3千元(現在のレートで約6万3千円)ほどで売られた。買い手が現れるまでの約半月の間、余死刑囚から暴力を振るわれることもあったという。

両親は失意のなかで他界、「必ず法の裁きを」

 楊さんは買われた家庭で小学…

共有
Exit mobile version