問題となった番組は「女性にAEDを絶対に使わないで」とするテロップから始まる=「ABEMA Prime」の画面から

 テレビ朝日制作の配信番組「ABEMA Prime」で紹介された「AEDで助けた女性から被害届が出された」というSNS投稿をめぐり、テレ朝の篠塚浩社長は25日の定例会見で、「事実関係の確認が不十分だった」として「再取材を進めている」と明らかにした。この投稿の真偽を疑問視する報道が複数なされていた。

 番組は1月20日に配信プラットフォーム「ABEMA」などで放送された。ABEMAでは2月25日現在も「『女性にAEDを使わないで』男性が恐れる“社会的制裁”とは?分断の向かう先は?」とのタイトルで配信されている。

 その中で、「AEDを使って女性の救命にあたったところ、強制わいせつの疑いで被害届が出された」とするSNS投稿をした男性の証言を、取材をもとに紹介。「刑事事件になる可能性は極めて低い」という弁護士の見解などを取りあげ、スタジオで出演者が議論していた。

 その後、「NEWSポストセブン」や「AERA.dot」など雑誌系のウェブメディアが、番組で紹介された男性の証言の信憑性(しんぴょうせい)に疑問を呈する記事を配信していた。

 会見でテレ朝の篠塚社長は「『AEDの使用を躊躇(ちゅうちょ)しないでほしい』という趣旨で制作している」と釈明。証言の真偽については「10年以上前のことで、事実関係の詳細の確認が不十分だった」とした上で、「当局への取材を含めて、再取材をしているので、その結果については番組のほうで適切に対応してもらえたらと思っている」と説明した。

 「ABEMA」は、テレ朝とサイバーエージェントが出資する企業「AbemaTV」が運営しており、同社も25日、同じ趣旨の発表をしている。テレ朝の篠塚社長によると、「ABEMA Prime」については「(テレ朝が)業務委託を受けて番組を制作しているため、制作責任がある」として会見で説明したという。

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