写真・図版
女川原発の事故時に避難者の受け付けステーションになる中新田体育館=2024年11月23日午後3時42分、宮城県加美町一本杉、柳沼広幸撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の運転差し止めを求めた訴訟の控訴審判決が27日、仙台高裁で言い渡される。原告側は原発事故時の避難計画の実効性を問う。原告とともに、避難経路をたどった。

 女川原発から西に約20キロの石巻市蛇田地区に住む原告団事務局長、日野正美さん(71)の自宅前から23日、車で出発した。

避難経路、たどってみると…

 石巻市広域避難計画に沿って市街地を抜け、約11キロ先の東松島市大塩の「鷹来の森運動公園」に向かう。女川原発から放射性物質が放出した場合、5~30キロ圏内の住民は屋内退避を経て、空間放射線量が高い地域は車やバスで避難する。

 30キロ圏を出て避難所に向かう前には、車や衣服などが放射性物質で汚染されていないか検査が必要で、鷹来の森が「避難退域時検査等場所」になる。

 この日は土曜日の昼下がりで、通行量は多くない。県道などを通って20分ほどで着いた。ただ、緊急事態ならこうはいかないと日野さんはみる。

避難者が殺到したら「大渋滞に」

 「避難者が殺到し、大渋滞になるだろう。何時間かかるか分からない」。渋滞にはまればトイレなどの問題も出てくるが、休憩ができそうなところは少ないという。

 鷹来の森では検査をスムーズ…

共有