オンラインショップ「Pinup Closet」を運営するアパレル会社「Alyo」社長の大橋茉莉花さん=同社提供

 《ポケットにペットボトルが入るスカートなど、SNSで16万人のフォロワーを擁するアパレル会社Alyo社長の「元鈴木さん」こと大橋茉莉花さん(37)は、女性の要望を受け、新商品を次々と世に送り出してきました。昨年末、靴下メーカーのアカウントが「破れないストッキングは都市伝説」などと発信。批判を浴びて謝罪に至りました。その後、大橋さんが丈夫なストッキングの開発に意欲を見せると、殺害予告や中傷を次々受けることになりました。女性が野心を示すと、なぜ攻撃の対象にされるのでしょうか》

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  • 連載「オトナの保健室」

 2017年に会社を立ち上げて以来、「ポケットに長財布を入れて手ぶらで歩ける」「死ぬほどアイロンをかけなくていい」「五十肩や乳がんの手術を受けた人も苦労せず着られる」、そんな快適さを新たな選択肢として示してきました。女性の自立を応援することがコンセプトです。

 大学で就職活動しようとしたけど、やりたいことがなかった。芸能事務所に所属してグラビアの仕事をしていましたが、給料をきちんともらえず、意味不明な飲み会に連れ回され、人の汚い面を度々見ました。

 イベントコンパニオンになり、コルセットで腰にくびれを作ったところ、通らなかったオーディションに次々合格。ブログでコルセットを取り上げるとすごく反響がありました。骨盤にあたって痛い、服を傷めるなど、従来の商品への不満がたくさんあり、それなら自分で作っちゃおう、というところが始まりです。

 その後はSNSでの要望をもとに大きなポケット(マジカルポケット)を備えた服や自宅で洗える喪服、乳がんや五十肩でも着やすい服などを手がけてきました。

地の底の自己肯定感からやってきた

 《ウエストを細くするコルセットは、女性の抑圧の象徴のようにとらえられることも少なくない》

 女性解放の観点からどうか、と葛藤もありました。でも、同じように女性の体形を整えるウエストニッパーやガードルは悪者扱いされない。つまりはイメージの問題ではないか。ならば抱きしめるように支えてくれる、快適なつけ心地を提供したいと思いました。

後半では、中傷や脅迫について思うところ、また、破れないストッキングの開発への考えを聞いています。

 「細いウエストこそが美しい…

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