19日に開かれた奥能登公立4病院機能強化検討会=2025年2月19日、石川県庁、土井良典撮影

 能登半島地震で甚大な被害を被った奥能登2市2町にある、公立4病院をめぐり、石川県は、のと里山空港(輪島市)近くに新病院を建設するなどの素案をまとめた。新病院で急性期対応などを集約化し、4病院は新病院のサテライトとして一般外来などに対応する。

 素案は19日夜、県や4市町の担当者、4病院の院長らでつくる検討会で示され、合意された。県は新年度から、新病院の人員体制や規模、スケジュールなど、具体的な計画づくりに着手する。

 4病院は、市立輪島、珠洲市総合、公立宇出津総合(能登町)、公立穴水総合。素案では、新病院に救急対応や急性期と回復期の入院機能、専門外来を集約する。搬送を「断らない救急」も掲げるという。

 サテライトは、かかりつけ医の機能を維持し、一般外来や巡回診療を行う。また、震災で地域の介護の力が弱っているとして、介護施設の役割も代替していく方針。既存の4病院をそのまま使うのかは未定だという。

 がん治療、脳や心臓の疾患での高度な医療については、七尾市や金沢市の医療圏の支えを受けて対応する。集約化に伴い、あらゆる病気を広く診ることができる「総合診療医」を大学と連携して育て、過疎地の医療を支えることも目指す。

 4病院をめぐっては、震災前…

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