山城国分寺跡で見つかった食堂院の建物跡=2025年2月4日、京都府木津川市、清水謙司撮影

 奈良時代、聖武天皇が全国に建立させた寺院の一つ、山城国分寺跡(国史跡、京都府木津川市)で、僧侶の食事や修行の場所だった食堂(じきどう)院の建物跡が見つかった。府教育委員会が4日発表した。同様の施設としては、東大寺など全国の古代寺院と比べても最大級の規模という。

 山城国分寺は、聖武天皇が造営した恭仁(くに)京の廃都後、宮殿を造り替えて建てられた。寺域は東西約275メートル、南北約330メートルに及び、旧大極殿を転用した金堂、七重塔などの跡が見つかっている。

 調査では、寺域の北東部から巨大な礎石(約70センチ)とその抜き取り穴が複数見つかった。南北にひさしがある大規模な建物(東西38・1メートル、南北10・8メートル)に復元できるという。

 過去の調査で、南側から方角が同じ建物跡と北に延びる廊下状の遺構が見つかっていて、2棟が連結する建物だったとみられる。東大寺や西大寺などにも複数の建物が南北に並ぶ食堂院があり、同様の施設だった可能性がある。

 古代寺院に詳しい上原真人・京都大学名誉教授(考古学)は「(今回の建物跡は)台所や貯蔵庫のような所だったのかも。全国の国分寺で食堂院が復元できるのは初めてのケースでは」と話す。

 現地説明会は、11日午前10時と午後2時の2回。小雨決行。問い合わせは発掘担当者の現地携帯電話(070・4387・9542)へ。

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