10歳で富山大空襲に遭った父を持つ女性が18日、初めて小学校で講座を受け持った。高齢になった父から語り部活動を受け継ぎ、次の世代に戦争の実相を伝え続けたいという。
「みなさんは何歳?」
富山県立山町立釜ケ渕小学校の4年生10人に、富山市の西田亜希代さん(54)が語りかける。「9歳!」という声に、「父が空襲に遭ったのと同じくらいの年代ね」と話し始めた。
父の佐藤進さん(89)は富山市の市民団体「富山大空襲を語り継ぐ会」の語り部だ。20年以上活動し、戦時中の体験を延べ2万人以上に話してきた。この日に向けても、同校の国語の授業の出前講座のため、スライドを準備していた。
語り部の父ではなく、娘が小学生に語ったわけ
だが2日前に体調を崩し、昨…