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ブレンダン・シムズさん

デモクラシーと戦争 インタビュー編③ ブレンダン・シムズさん

 世界中で争いが起きている。自国第一主義が広がり、分断が進んでいる。国際政治の歴史に詳しいケンブリッジ大学のブレンダン・シムズ教授は、再び大国政治の時代に入ったと考える。私たちはまた同じ過ちを犯すのか。過去から学べることはないか。シムズ教授に話を聞いた。

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ケンブリッジ大学のブレンダン・シムズ教授=2024年9月28日、東京都港区、田島知樹撮影

 ――私たちは今どのような時代に生きているのでしょうか。

 「時代というのは、振り返って定義されるものです。今がどのような時代なのかを正確に言うのは時期尚早でしょう。しかしこうは言えるかもしれません。グローバル化の時代、つまり、世界がますます相互につながり、国と国との垣根が低くなっていく時代から分断化の時代へと移行している、と」

 「ひとつのテーマを挙げるとすれば、『大国の再来』です。ドイツのメルケル前首相が、ロシアのプーチン大統領は19世紀にいるかのように振る舞っていると言いました。しかし実際には、彼女がまるで20世紀後半か21世紀初めにいるかのように振る舞っていたのです。大国政治の復活こそ、私たちが生きる時代を規定している。それは人と人のつながりを断ち、ロシアのウクライナへの侵攻、中国の台湾への脅威、独裁政権の存続といった重大な不正義が起こる状況を作ります」

 ――今を理解するために過去を振り返ることは重要だと思いますか。

 「過去を振り返ることは常に重要です。しかし、違いを意識することも常に重要です。L・P・ハートリーというイギリスの作家はかつて『過去は別の国だ』と言いました」

 「しかし、戦間期は現代との関連性を考えるうえで興味深い時代だと思います。なぜなら前の時代の問題への対応の失敗を示してくれるからです」

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 ――どういうことでしょう。

 「第1次世界大戦へ至ってい…

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