少子化の影響で、全国で進む公立学校の統廃合。毎年約450校が廃校になっており、その利活用が課題となっている。スポーツや介護の施設、企業の作業場などに生まれ変わる廃校が多い中で、群馬県みなかみ町に学校の特徴を最大限に生かした「廃校利用のモデルケース」とも言われる施設があると知り、足を運んだ。
関越自動車道の月夜野インターチェンジから車で約20分。視界に飛び込んできたのは、豊かな森を背景に朝礼台やサッカーゴールがあるグラウンド、25メートルプール。そして「新治村立猿ケ京小学校」と書かれた玄関がある木造の校舎。この日は日差しが強かったこともあって、井上陽水さんの「少年時代」や久石譲さんの「Summer」が頭の中でBGMとして流れた。
「懐かしく感じますよね。僕が出た小学校はコンクリートづくりだったのに」
2008年に廃校となった猿…